新住まいの「ことわざ」<159> 屋根葺き屋根を葺かず 松岡英雄
住宅新報 2013年3月26日 号 24面
連載: 新住まいの「ことわざ」
新しい歌舞伎座の「こけら落とし」は4月2日から始まる。こけら落としとは、工事の最後に屋根などの木屑を払い落としたところから、新築劇場の初興行のことをいう。松竹のホームページには、市川団十郎さんの逝去に伴う配役の変更が掲載されている。歌舞伎ファンには残念なことだが、一番残念無念だったのは団十郎さんご本人に違いない。
「こけら」とは、木材を削るときにできる木の細片のことで、漢字で「木偏に、市に似ているつくりだが真ん中の棒が上から下まで貫いた字」と書く。柿(かき)と違うので注意が必要。まあ、使用することはない漢字ではあるが。屋根を葺くのに用いるヒノキ・マキなどの薄板を「こけら板」という。こけら板で葺いた屋根が「こけら葺き」で、とんとん葺きともいう。
子供の頃、戦後間もないこともあって、バラックと呼ばれる家がまだ残っており、屋根はとんとん葺きだったのを覚えている。あれで雨露を完全に凌ぐことができたのだろうか。























