ビジットジャパン鍵は「北」に 伊藤滋氏 歴史ベースに東京文化を
住宅新報 2014年6月24日 号 8面
「五輪など気にしないで、東京が衰え始める2035年を意識した長期的な計画が必要であること。そしてインベストジャパンではなく、観光に力点を置いたビジットジャパンを目指すべきであることを話したところ、『私もそう思う』と考えが一致した」というのは伊藤滋・再開発コーディネーター協会会長。通常総会後の情報交換会で、太田昭宏国土交通相と会談した際のことを披露した。
ビジットジャパンの推進は伊藤氏の持論。「外国企業の極東支社を誘致しようというインベストジャパンは、英語力と素早い判断が求められる。そのビジネス環境を整えるのは、日本では難しく香港には勝てない。それに比べ、観光客相手のビジットジャパンは日本人向きで、そこに重点を置いた国づくりをすべき」との考えに立つ。
その観光地づくりの鍵は今や東京中心部から「北方向にある」という。「戦後60年、東京は南西に向かって文明を築いてきた。『ギブミーチョコレート』の時代から再開発が活発に行われ、今は渋谷がにぎわっている。アメリカ文明の街だが、ビジットジャパンでは、そうでない東京を知りたい人がやってくる。江戸城の天守閣から北方向、一ツ橋、神田神保町方向にそれがある。湯島聖堂に神田明神、更に旧岩崎邸、東大、不忍池に上野寛永寺と五重塔。そして彰義隊など悲壮な歴史と、彫りの深い東京の文化がある」。そこには大規模な再開発はないが、「様々な坂に石畳、瓦など江戸の近代文化が刻み込まれた街がある。その文化をきちっと組み立てていくことが大事だ。その対比で今度は南西部の文明も映え、東京全体の価値が上がる。それがビジットジャパンの在り方だ」と。























