建築物を建てるには多くの法的な規制をクリアする必要があります。しかし、設計企画の最初に関わってくるのは、その敷地にどのくらいの大きさの建築物が建てられるかという試算に関わる法律です。貸しビルであれば用途地域、各種斜線制限、日影規制などから上限のボリュームを算出し、建設コストやレンタブル比(賃貸比率)を試算して投資と回収の効率をはじきだします。デザインや意匠などの入り込む余地はなく、純然たる数字の世界です。
不合理な斜線制限
企画段階の中層建築物において、最も影響を受ける規制は斜線制限です。銀座や新宿の表通りの裏には、上部が斜めにカットされたデザインの建築物をたくさん見ることができます。これらは主に道路斜線制限の規制を受けた建物です。敷地の前面道路反対側から一定の角度に傾斜した面を想定し、その面から建物が突出していけないというのが道路斜線制限です。また、これを敷地の北側に設定するのが北側斜線制限です。しかし、これらの斜線制限は敷地の空地率を考慮していないため、間口が広く低い建物に比べ、細くて背の高い建築物は周辺の開放感・日照・通風を確保できるにもかかわらず規制を受けるなど、不合理が生じていました。
























