随想タウンウオッチ 不動産鑑定士横須賀博 (9) 将来偉くなる青年
住宅新報 2015年6月16日 号 10面
土曜日の昼下がり、一寸した仕事のために都営新宿線に乗った。すぐに私の前に座る18歳前後の茶髪の青年が目にとまった。仕草が並ではなかったからだ。野球帽を前後逆にかぶり、腰を浅く座って、両足を伸ばしてスマートフォンに興じていたのだ。電車内は公共の場ではないのか、と思ったが、特に他人に迷惑をかけているようでもないのだからと、見て見ぬふりをしていた。
ところが電車が市ヶ谷駅に停まり、そこで鳥打帽をかぶり、杖を手にした高齢者と目される、乗客が乗り込んできた。その青年の姿を見るや否や、何も言わず、手にした杖で青年の足を叩いて、正座するよう要求したのだ。
見ていた私もビックリ。この先どうなるのかと思ったところ、その青年、何も言わずに頭を「ちょこん」と下げて、すぐさま正座した。いやはや高齢者の貫禄、見事なもの。ところが、高齢者はその後すぐ次の車両に移動してしまった。























