最近、街を歩いていて、ある現場で目にしたのですが、現場ユニットハウスの壁面に「段取り八分・仕上げ二分」というスローガンが大書してありました。一緒にいた若いIT系編集者に「読めますか」かと聞いたところ「段取りはっぷん・仕上げにふん」と返ってきました。意味を聞くと「仕上げよりも段取りに時間をかけるという意味ですかね、逆のような気がしますが…」という返事でした。
これは「分」を時間の単位と理解したことに誤りがあります。正しい読み方は「段取りはちぶ・仕上げにぶ」で「分」は全体に占める割合を示しています。「九分(くぶ)通り出来上がった」というときの意味は「90%出来上がった」と同じように「段取り八分・仕上げ二分」は「工事は段取りが80%・仕上げが20%」、すなわち工事における段取りの重要性を訴えるスローガンです。建築工事では「手戻り・直し」は作業効率を大きく阻害するため、綿密な段取りの設定は欠かせません。一つの工程に手戻りや直しが発生すると、以降の工程が滞留してしまい、滞留する部位によっては工事全体の遅延にもつながりかねないからです。
「段取り八分・仕上げ二分」は他の分野にも通じる含蓄のある諺(ことわざ)で、江戸時代から言われて来たと考えられますが、今回は久しぶりにこうした建築関係の諺について取り上げてみます。
























