居酒屋の詩 (38) うすくこき野辺の緑の若草に 跡までみゆる雪のむら消え
住宅新報 2019年2月19日 号 11面
連載: 居酒屋の詩
居酒屋の料理人と親しくなることは時折ある。その中の一人が、2月末で店を辞める。足掛け3年は通っただろうか。妙に馬が合い楽しい時間を過ごしてきた。辞める理由を聞かないのが流儀だ。
おそらく、私の足も遠のいていくだろう。居酒屋で築く縁は総じて儚いものだが、その儚さにも相手によって濃淡はある。いつ行ってもメニューが代わり映えしないことが唯一の不満で、それを冗談めかして言うと、店には内緒でちょっと工夫した料理を出してくれたりもした。以前も書いたが、居酒屋で何か注文をつけるときにはそれなりの覚悟が必要だ。言い方がまずければそれがしこりとなって二度と行けなくなることもある。彼とはそこをうまく続けることができた。3年という短い期間だったが、その間彼も私もゆっくり成長してきたと思いたい。























