幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 54/100 絆を確認「家族信託」 日本の家族に〝新しい風〟
住宅新報 2019年7月30日 号 15面
連載: 幸福論的「住宅論」

家族信託が普及すれば空き家の発生を抑える力にもなる。日本社会は今こそ家族の絆が問われている
相続コンサルティングを手掛ける不動産業者や税理士などの専門家が増えている。その中で、家族信託がにわかに注目を集め始めた。その理由は、自宅などの不動産を信託財産にすると、受託者が得る形式的所有権(名義)と、受益者が得る実質的所有権(利益)に分離することができるからだ。
両者を分離することで委託者が死亡したとき、その財産を受益権というかたちで相続人に等分(平等)に分けることができる。信託を使わず、民法上の財産のままで平等を実現させるには不動産の場合は共有名義にするしかない。 しかし、共有不動産は将来処分がしづらく、その後も相続が発生するたびに複雑化していく。財産の承継をめぐって相続人同士がもめることだけは避けたい。親が自分亡き後のことを考えて心配するのもその一点であろう。
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