先日、在京テレビ局から取材要請がありました。内容はNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」と同系統の番組で、建築の素人が疑問に思うことを、専門家が答えるというものです。その質問がちょっと面白かったので、いくつか紹介いたします。
まずは「(表札を見て)なんでここに名前が書いてあるの」という疑問です。確かに不思議といえば不思議です。ドイツやフランスなどの住宅街を歩いても、アパートなどを除き、名前を表示している住宅を見ることはなく、番地名だけです。どんなに小さい道路にも名前がつけられ、道路の左右を偶数と奇数の番地を割り振る方式であれば、建物は特定されやすいのですが、日本のようなエリア方式の場合、同一番地に数十軒の住宅が存在するためダイレクトなアクセスは困難であり、表札は必須です。
歴史的には中国の条里制を基にした町割りを取り入れたのがエリア方式です。明治8年に徴税・徴兵のため、義務として名字を名乗るよう太政官布告が出され、全国民が名字を持つことになりました。日清日露戦争では出征兵士を送った家が「皇軍兵士の家・中村一郎」というような貼り紙を出したことから、玄関に姓を表示することが盛んになったとされます。その後の関東大震災や東京大空襲では焼け跡の更地に「中村家」などと掲出したことで、表札が一般化しました。
























