幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 67/100 すべての人の幸福を考える 「公益」不動産業
住宅新報 2019年11月5日 号 11面
連載: 幸福論的「住宅論」

不動産業はその本業をもって直ちに地域に貢献できる特異な産業である
「会社は誰のものか」という議論がある。株式会社の始まりといわれるオランダ東インド会社や、イギリス東インド会社にしても、当時は大航海による貿易に出資して一儲けしようという株主のための器だったに違いない。しかし、現代のようにここまで株式会社の規模が大きくなって、経済や政治に大きな影響を与えるようになり、国民の大多数が会社で働く社会になってみれば、もはや「会社は株主だけのもの」とは言い難い。
今では、会社は従業員とその家族、顧客、取引先、株主など関係するすべての人たちのものという解釈が一般的となりつつある。日本では、国民歌手の三波春夫が「お客様は神様です」と言ったこともあり、その頃から顧客ファーストという考えが一気に浸透していった。
すると、「顧客を幸せにするためには、まず従業員が幸福でなければならない」という経営理念の会社も登場し、更に「会社は従業員とだけではなく、すべての取引先とも〝Win・Win〟の関係でなければならない」といった考えが定着していく。そして近年は、「会社は地域社会や地球環境にも貢献するものでなければならない」という考えが当たり前のように言われるようになった。























