幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 83/100 住まいという「場」 人間関係の密度がすべて
住宅新報 2020年3月17日 号 17面
連載: 幸福論的「住宅論」

そこにいるだけで気持ちのいい場所がある。自分にとって〝いい気〟が流れていると感じる場所だ。宇宙の遙か彼方から降ってくるエネルギーのようにも思える
マンションの資産価値を決める最大要素は「立地」と言われている。いや、「立地がすべて」とさえ言われることもある。では、立地(場)を最優先しない住まいとは何を優先するのだろうか。考えてみると、ほとんどのことは〝場〟に包括されている。生活の利便性、社会的ステータス、その地の将来的発展性、いずれも〝場〟以外のなにものでもない。唯一残されたものが人間関係である。では、その人間関係を優先する住まいとはどういうものか。
◇ ◇
東日本大震災(2011年3月11日)で家を失い、仮設住宅に暮らしていた人たちの数はピーク時で12万人にも達していた。急を要する仮設住宅は建設場所をゆっくり検討している時間はない。重視されたのは移り住む人たちが孤独にならないように町内会単位での引っ越しと、主婦らの井戸端会議の場と、子供たちが遊べる広場の創出だった。























