地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 130 「雲海」は貴重な地域資源になる(1) トマムの雲海は、現場からの発想
住宅新報 2020年3月24日 号 21面

雲海テラスから毎朝、必ずしも雲海を見られるわけではない
現場の声に耳を傾ける もともとトマムリゾートは、バブル期にアルファリゾート・トマムという名称で開業し、ホテルアルファと占冠村の共同出資による第三セクターで経営していた。良質な雪が降る地域特性を生かし、冬のスキー客誘致を図った。しかし冬場のスキー客に頼ったビジネスモデルで、冬と夏の集客差が激しかったため、赤字が膨らみ、設備投資をしようにも資金不足で施設は老朽化するという悪循環となった。過剰な設備投資も重荷になっていたようだ。運営会社は経営破綻し、その後、05年に星野リゾートが運営を引き継いだ。
その再生キーワードは、「地域特性の掘り起こし」と「従業員のアイデアを尊重」の2つ。その中から上がってきたアイディアが「雲海」だった。ゴンドラの整備スタッフが、山頂付近で撮影した雲海の写真を見せた。そこには、トマムのランドマークであるザ・タワーの先端が雄大な雲海から顔をのぞかせていた。「自分たちは最高の景色を眺めながら毎日仕事をしているけれど、ゲストにもこの素晴らしい景色を見てもらったらどうか」という提案だったそうだ。
当たり前の景色に価値 彼らが自ら雲海テラスを造り、05年に営業を開始。朝日を浴びながらゴンドラで約13分の空中散歩で行き着く先は、想像を遥かに超える絶景が広がっていた。このアイディアが大当たりとなったのだ。























