地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 130 「雲海」は貴重な地域資源になる(2) 宮崎・高千穂峡では経済効果あり
住宅新報 2020年3月31日 号 15面

国見ヶ丘の雲海は秋がピーク。ススキとのコントラストが美しい
17年に宮崎県がブレイク 雲海がきっかけで注目度が高まっているエリアが、宮崎県にある。そこは、古事記や日本書紀に描かれた日本発祥にまつわる日向神話の舞台であり、多くの神話や伝承、それらにちなんだ伝統文化やゆかりの地だ。場所は、高千穂。日本人にはなじみのある観光地だ。ここ最近は、外国人旅行者にも人気が高まり、宿泊者数が増えているという。特に伸びたのが、17年の秋だった。大手ホテルマッチングサイトが発表したところによると、同年9月から10月のインバウンドの対前年比が、県別で宮崎県が3.1倍と大きく跳ね上がり、全国で2位という快挙だ。
ところが、通年においてはランク外で、この時期だけに突出していたのだった。実は九州全般で中国からの個人旅行者が拡大していたタイミングで、宮崎県の中で「高千穂・延岡・日向・高鍋」エリアが最も大きく伸びたという。高千穂観光協会のインバウンド担当者にその秋の急伸ぶりを聞くと、「国見ヶ丘の雲海の見頃シーズンだからではないか」と、当時の人気の理由を語った。
美しい棚田が広がる 標高513メートルの国見ヶ丘は、東に五ヶ瀬川に沿って広がる高千穂盆地、西に阿蘇外輪山や涅槃像に例えられる五岳、北に標高1757メートルの祖母山をはじめとする連峰を一望できる絶景スポットだ。秋、快晴無風で冷え込んだ日の早朝には、高千穂盆地や周辺の山々を霧が覆い隠して幻想的な世界を演出する雲海が見られる。やがて雲海が明けてくると、そこには棚田が一面に広がる独特な景観を目の当たりにできるのだ。






















