幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 85/100 「デザイン経営」とはなにか 奥底にあるニーズを掘り起こす
住宅新報 2020年3月31日 号 19面
連載: 幸福論的「住宅論」

企業が顧客に最も伝えたいことや実現したいことを、言葉ではなくシンプルな形で表現したものがデザインだ。「デザイン経営」とはそうした企業意思をブランドとして確立しようとする試みである。
意匠法改正の背景
意匠法改正の背景を説明しているのが、経済産業省・特許庁が18年5月に発表した「デザイン経営宣言」(以下「宣言」)である。それによると欧米ではデザインへの投資を行うかどうかで、企業の業績に大きな差が出るという認識が強まっている。
例えば、ブリティッシュ・デザイン・カウンシルは「デザインに投資するとその4倍の利益が得られている」とか、デザイン・ヴァリュー・インデックスは「デザインを重視する企業の株価は10年間で、S&P500全体の2.1倍成長している」といった調査結果を発表している。 これについて「宣言」は「日本では経営者がデザインを有効な経営手段と認識しておらずグローバル競争環境での弱みとなっている」と指摘する。やや古いデータだが11(平成23)年度の中小企業支援調査」で従業員100人超の製造業(2万5000社)を対象にしたアンケート結果によると、「日本国内で市場開拓を成し遂げた要因」として、「高品質・高機能」を挙げた企業は38%だったのに対し、「デザイン」は0.8%だった。























