この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇20 住宅評論家 本多信博 コロナがくれた好機 なんのための人生かを考える
住宅新報 2020年12月8日 号 15面

『住む』より『楽しむ』をブランドスローガンにしているアールシーコアのBESSの家が、累積で2万棟に到達した。それを記念して行われた二木浩三社長(右)へのインタビューで、同社長は〝楽しむ〟という感情は人生にとって最高のもの。だからそれを引き出す仕掛けが住まいには必要だと語る
人はなんのためにこの世に生まれて来るのか。人間以外の動物はそんなことは考えない、と人間は思っている。しかし、本当にそうだろうか。ライオンや象や、空を飛ぶ鳥にも、水の中を泳ぐ魚にもなったことのない人間に何が分かるというのだろう。人間が思いもしない方法で、同じようなことを考え、悩んでいるかもしれないではないか。
人間はそろそろ、その偉大な頭脳で考えることに疑いを持つべきだし、出した答えに謙虚にもならなければならない。コロナは人が仕事とは何か、どういう働き方が自分にふさわしいか。生活の基盤としての住まいはどうあるべきかなどを改めて考え直すキッカケとなった。哲学者や人類学者の中には、今回のパンデミックは人類の歴史を変えるほどのパラダイムの転換をもたらす可能性があると指摘する人もいる。
つまり、コロナはごく普通の市井の人には考えること自体を、モノを考えることを仕事にしている人には新たな思考の種を植え付けるキッカケとなっている。これこそが、人間があらゆる動物(ウイルスは動物ではないが)の頂点にいるわけではないことの証(あかし)ではないだろうか。






















