相続法改正と不動産 9回 遺留分侵害額請求権 (上) 全国貸地貸家協会専務理事・耶馬台コーポレーション社長 宮地忠継
住宅新報 2021年2月23日 号 19面

親に愛されなかった次男
「遺留分侵害額請求権」は、旧「遺留分減殺請求権」のことだが大きく変わった。これは、相続の際に相続人で何ももらえなかった、あるいはほんの少ししかもらえなかった人に、法定相続分の2分の1は確保するというもの。そもそもは明治時代の農業社会を反映し、相続分を取り戻すといっても、現金では意味がなく、土地の持分を取り戻すというものだった。その伝統が今まで続いていたが、今般の民法改正によってそこの部分が変わった。どう変わったのか、例によってシチュエーションによって見ることにする。
鈴木健夫は78歳で自由が丘の駅前事務所でリフォーム関係の業界誌を発行していた。自宅はこの自由が丘駅から5分ほどのところにある。長男の宏は50歳で、家族ともども父親の家に同居し、父親の仕事を手伝っている。次男の雄二は45歳、大手商社の幹部社員で世界中を飛び回っている。港区のマンションに家族と住んでいる。長女の郁子は既に結婚している。母親は既に亡くなっている。























