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スタンダード会員限定この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇39 住宅評論家 本多信博 そろそろ結論 (2) 賃貸に新たな使命を

住宅新報 2021年4月27日 号 19面

連載: この地上において今― 住まいが未来を語り始めた

総合
多様な住まい方が可能な社会を実現するためには、多様なコンセプトを持った賃貸住宅の登場が不可欠となる。若い世代が日本の未来に希望を持ち、ライフスタイルに応じて住まいの選択ができるようにするための努力が業界に求められている

多様な住まい方が可能な社会を実現するためには、多様なコンセプトを持った賃貸住宅の登場が不可欠となる。若い世代が日本の未来に希望を持ち、ライフスタイルに応じて住まいの選択ができるようにするための努力が業界に求められている

 親の家で育った子供もいずれ独立し、アパートや社宅などの賃貸住宅で暮らすようになる。仮に親の家(実家)から学校や会社に通うことができたとしても〝一人暮らし〟に憧れるのが若者の常である。なぜなら、自分の棲家は自分で選んでこそ大人の証(あかし)と思うからである。つまり、もともと人間と住まいは、そうした精神的なものでつながっている。

 特に昨今は若者たちが「自分にとって住まいとは何か」に大きな関心を寄せ始めた。とは言っても、かつて団塊世代が傾注した所有本位の〝マイホーム主義〟とは異なり、今の若者たちは自分の価値観とライフスタイルの一致が〝自己実現〟で、そこに住まいの選択が深く関わっている。

 また、右肩上がりの時代を生きてきた団塊世代とは違い、未来への不安はその濃さを増す一方だから、老後に向けた資産形成にも関心を向けざるを得ない。親も自分も、平均寿命が延びていることが未来に微妙な影を落としている。現代若者の〝住宅すごろく〟はスタート時こそ多様だが、人生の後半に向かうほど深い霧に隠れている。

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