点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第49回 余剰な公共公益施設を活用する 静岡県伊豆市 利用用途を大きく転換
住宅新報 2021年4月27日 号 20面
連載: 点検 不動産利活用
伊豆市は、伊豆半島の中央に位置し、南部は天城山系の山並みに囲まれ、西部は駿河湾に面し、中央部には狩野川が流れている。04(平成16)年に修善寺町、土肥町、天城湯ヶ島町、中伊豆町の4町合併で誕生した人口約3万人の街である。歴史的にも平安時代初期に弘法大師が開いた修禅寺や、その界隈(かいわい)を舞台にした鎌倉時代の源氏の興亡盛衰がよく知られている。また、この夏に予定されている東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技会場でもある。首都圏からのアクセスも良好で、新幹線等の鉄道利用で約1時間半、高速道路等での自動車利用で約2時間で行ける。
少子高齢化と人口減少、地域衰退等への対応は全国の地方共通の問題で、伊豆市も例外ではない。また、それに伴う余剰の公共公益施設の統廃合や空き家等の問題も深刻である。このような状況を反映して不動産需要も弱く、21(令和3)年の地価公示でも全用途平均で年率3%下落している。問題解消策の一つとして、伊豆市が橋渡しとなり、これら施設等のユニークな用途転換によって問題解決に挑んでいる。
合併によって余剰施設となった旧天城湯ヶ島町役場庁舎は、首都圏に複数店舗展開している菓子メーカー経営者の出身地という縁で、体験施設を備えた直売工場として新たな利用用途に生まれ変わった。首都圏でなじみ深い菓子メーカーであることから、週末ともなれば首都圏を中心とした観光客でにぎわう天城湯ヶ島地区の観光スポットに変身した。























