ブドウ栽培に適した扇状地 自然的要因が育んだ風景 一般財団法人日本不動産研究所 ニューノーマル最前線 不動産の〝変〟と〝不変〟 第6回 山梨県・峡東地域
住宅新報 2021年6月15日 号 24面
連載: ニューノーマル最前線
甲州ワインは今や国際的なワインコンクールで受賞するなど世界が認めるワインへと発展し、数多くのワイナリーが集積する山梨県はワインの産地として世界的に認知されつつある。山梨県はブドウの生産量日本一を誇るが、県内で満遍なく生産されているわけではなく、ブドウ畑とワイナリーは甲府盆地の東側、いわゆる峡東地域(山梨市・甲州市・笛吹市)に多く分布している。なぜ、峡東地域にブドウ畑とワイナリーが偏在したのかをひもといてみたい。
不動産鑑定評価基準において、不動産の価格を形成する要因の一つに自然的要因がある。自然的要因とは、(1)地質・地盤等の状態、(2)土壌および土層の状態、(3)地勢の状態、(4)地理的位置関係、(5)気象の状態――を言い、土地の有する根源的な機能に関する要因で最も重要なものである。峡東地域のブドウ栽培は、この自然的要因である扇状地との関係が深い。
扇状地は狭い山間地を流れる急流河川が広い平坦地に出たとき、その流れが弱まることにより、運ばれてきた土砂が扇状に堆積し形成される。山が急斜面であればあるほど、土砂を削り下流へ運ぶので扇状地が形成されやすく、周囲を急峻な山々に囲まれた甲府盆地は、いくつもの扇状地が重なり合う複合扇状地となっている。
























