急増する高経年マンション 長寿命化対策、待ったなし 国は「モデル」拡大へ意欲
住宅新報 2021年11月16日 号 1面

「リファイニング建築」によって、76年竣工の共同住宅を再生した「ヴァロータ氷川台」。新築同等以上の快適さとデザイン性を持つ住まいと評価され、2021年度のグッドデザイン賞を受賞した
国土交通省が20年度から5年間にわたって取り組む「マンションストック長寿命化等モデル事業」。老朽化や管理組合の担い手不足が顕著な高経年マンションストックの再生を推進するため、再生の検討から長寿命化に寄与する改修や建替えに関してモデル的な取り組みを支援するものだ。事業準備段階の「計画支援型」と実施段階の「工事支援型」(長寿命化改修工事、建替え工事)に分類。民間事業者などからの提案を受け、有識者による審査・採択を行う。
20年度(計3回実施)は、応募総数41件に対して採択は18件。内訳では、「計画支援型」は14件、工事支援型は「長寿命化改修」が3件、「建替え」が1件。提案者別に見ると、「計画支援型」はマンション再生コンサルタントが11件で最多となり、以下、管理組合3件、設計事務所1件の順。「長寿命化改修」は施工業者が3件で、応募があった設計事務所と管理組合の採択はゼロ。「建替え」は買取再販業者1件という構成だ。具体的には、既存マンションの上部増築によるサービス付き高齢者向け住宅の導入に向けた検討(計画支援型)や災害時の停電に備えた防災・減災対策の改修工事(長寿命化改修)などが採択された。
同省住宅局市街地建築課の歌代純平課長補佐は、老朽化対策の強化は急務とした上で、共用部分の改修の遅れや累計250件程にとどまる建替え実績の少なさを指摘。「これらに必要な解決手法や合意形成など先導的な取り組みを支援し、横展開したい」とし、現在、先導モデルの事例集の公開準備を進める。























