都心の物流不動産 都市型マルチパーパス倉庫への進化 第9回 消費者立地における新たな物流ニーズ【後編】 非対面・非接触のニューノーマル (株)イーソーコ総合研究所代表取締役 出村亜希子
住宅新報 2021年12月21日 号 3面

出村氏
物流不動産に現れる変化には遅効性があります。移転・集約が緩やかに進行するため、影響を与える因子の顕在化には年単位の時間差が生じるのです。長く動きがないように見えても内実は徐々に変容しており、あるとき一気に変化として立ち現れることも珍しくありません。コロナ下でも、オフィスや倉庫の見直し、拠点の最適化などが粛々と動いています。まるで世相を映す鏡のようです。
影響を与えた因子の一つは大型先進物流施設の大量供給です。これによって都市における物流ニーズはいったん縮小していきましたが、近年になって物流関連も含んだ複合的なニーズが出てきました。物流は多くの業種業態、生活において密接に関わりのあるものですから、考えてみれば当然のこととも言えます。現時点で一番のニーズは、ラストワンマイルにおける最終拠点の確保です。小型の配送の拠点でEC(電子商取引)の隆盛が生んだ新たなニーズに対応できる、多頻度小口化配送に適した施設です。
また、インダストリー4.0(ITを軸とした第4次産業革命)やデジタル技術などによって、倉庫はニーズも使われ方も大きく変容し多彩になりました。倉庫は荷物を保管するだけではなく、オフィスやショールーム機能などと組み合わせることでより柔軟な使い方ができるということを、多くの人が認識し始めてきたということなのかもしれません。























