物流不動産ビジネス ケーススタディ 中小倉庫の相場賃料の特殊性 倉庫ドクター・コンサルの現場から 第7回 イーソーコ総合研究所 代表取締役 出村亜希子
住宅新報 2022年10月18日 号 3面

物流不動産の仲介やマスターリースを手掛けていると、様々なご相談をいただきます。中でも多いのが、中小倉庫オーナーからの「契約更新時にテナントから値下げ交渉を持ち掛けられた」、「物件を貸したいが、どのような条件で募集をかければよいか」といった賃料に関するものです。昨今、ファンドにより多く建設されている大型の先進物流不動産は一般に賃料が公開されていますが、既築の中小倉庫は規格化されていないため類似物件も少なく、適正賃料が確立されていないのです。
中小倉庫は、オフィスや店舗に比べて建物と使用ニーズのマッチングも難しいものです。エリアと規模がよくても、食品を扱うから高床式でないといけない、重量のある荷物でクレーン付きがよい、床荷重が求められる、駐車場の台数を必要とするなど、必須条件は多岐にわたります。
エリアや立地条件、築年数により大まかな相場の目安はあるのですが、その立地にそのスペックの物件は一つだけという希少性があり、どうしてもその物件を利用したいユーザーの求めに合致すれば、そのエリアにおいて高めの値付けであっても決まることもよくあることです。


























