地域創生と金融 いちよし証券 上席執行役員チーフエコノミスト 愛宕伸康氏に聞く 経済成長へ 国は全体構想を 実態に即した政策を推進 規制緩和もっと要望すべき 独立国家になった意気込み 各自治体は求められている
住宅新報 2023年2月21日 号 11面
日本経済が持続的に成長することが地域の発展につながるが、過去30年間にわたって〝成長のない国〟は珍しい。官民とも本腰を入れての対策は待ったなしだ。想定外のパンデミックは、社会・経済の双方のあり方を見直すきっかけにもなった。長らく続いた金融緩和政策は、そろりと出口を探る局面に入ろうとしている。金融政策に頼り切りでは限界。政府・与党は、成長戦略や規制緩和で日本の推進力を高めなければならない。いちよし証券上席執行役員でチーフエコノミストの愛宕伸康氏に聞いた。(聞き手・田邉信之氏)
田邉 本シリーズのテーマ「地域創生と金融」は、切り口がなかなか難しい面がある。
愛宕 最近のデジタル化の進展などを背景に、地方創生を促進しようという議論が改めて活発化している。地方創生のためにはもちろん地方でもお金の巡りをよくする必要があるので、金融と結び付けて語られることが多い。だが、大切なのは、地方創生のために何をやるのかという中身だ。地方が経済成長したり、地方での消費や投資などのお金の動きが活発化したりするのは、何かをやった「結果」であって、それがない中で先に枠組みだけ決めても、何も起こらないと思う。
日本経済の低成長が続き、人口減少も進む中で、地方創生に有効な方策を考えることは容易ではない。それでも何とかしようと思えば、この地域を具体的にどういう姿に変えていきたいのか、地域の関係者が膝詰めで考える必要がある。例えば、地方の歴史・史跡を観光資源として生かそうという方針が明確になれば、そのためにどういう投資が必要なのか、そのための資金をどうやって調達するかという話につながる。ところが、まず何らかの箱(建物、施設など)を作るとか、マネーを回す仕組みを作るとかいう話が先行すると、議論が空回りしてしまう。日銀がお金を増やせば経済が活性化するのか、という金融政策の議論とも類似するところがある。



























