創刊75周年記念特別企画特集 持続可能な社会へ転換を 空き家再生に挑む 〝古さ〟の魅力を生かす 画一的まちづくりとは一線
住宅新報 2023年4月18日 号 1面

築年数が70年、80年と経過した都内の建物を再生する試みも各地で広がる(写真提供は暇と梅爺)
空き家問題への対応は待ったなし。総務省の住宅・土地統計調査によれば、空き家の総数は576万戸から849万戸へと過去20年間でおよそ1.5倍に増加している。同様に居住目的のない「その他空き家」は349万戸と1.9倍に増加し、この「その他空き家」は30年には約490万戸に増加すると見込まれている。
空き家が社会問題とされるのは、風景・景観の悪化にとどまらず、犯罪を誘発する起点になりかねないことや、ゴミの不法投棄・悪臭、火災の発生を誘発するなど例を挙げれば枚挙にいとまがないためだ。国は今年の2月に今後の空き家対策として、(1)発生抑制、(2)利活用促進、(3)適切な管理・除去の促進を今後の対策として注力していく方向性を示した。
一般的に各自治体は、築古の建物が内包する危険性を訴えて除去しようと開発を推進してきたバックグラウンドが長い。そのため利活用よりも再開発に視点が向かいがちだが、共立女子大学建築・デザイン学部の高橋大輔教授は、「空き家への対処は、間引くモノと間引かないモノ、残すモノと残さないモノのバランスを取っていくべきだ」と話す。古くなったから取り壊すではなく、古い物の価値を見いだすことが住宅・不動産業界には求められている。























