不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編195 敷金返還請求権の差押えで貸主はどうする?
住宅新報 2023年9月26日 号 15面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q.前回は、譲渡制限特約のある敷金返還請求権が譲渡できるかという話でした。今回は、そのような特約付の敷金返還請求権が借主の債権者によって差し押さえられた場合の話をうかがいたいと思います。そのような場合、貸主は、どのように対応したらよいのでしょうか。
A.結論から申し上げれば、譲渡制限特約の有無に関わらず、借主が当該賃貸借契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでは、当該差押通知を無視することができます。
つまり、借主が本件賃貸借契約に基づく建物の明渡しを完了し、原状回復費用等の全ての債務の履行を完了するまでは、差押えの対象となる敷金返還請求権の額が確立しませんので(民法622条の2)、貸主としては、差押債権目録に記載された金銭の支払いに応じる必要はないということです。























