不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編200 賃貸物件を共同相続した場合の契約関係は?
住宅新報 2023年11月14日 号 13面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q.以前にも賃貸管理業者にとって必須の事項とされる賃貸物件の共同相続の際の対応についての質問がありましたが、その際の共同相続人の賃料請求権と借主の賃料支払義務との関係はどうなるのでしょうか。 A.遺産分割前の賃貸物件は相続人全員の共有となりますので(民法898条)、相続人全員が貸主となり(民法605条の2)、その際の賃料請求権は不可分債権として、貸主は各自その全額を借主に請求でき、借主は貸主の1人に対しその金額を支払うことができます(東京地判昭和47年12月22日)。その理由は、貸主の賃貸物件に関する用益提供が不可分である以上、これと対価関係にある賃料債権も不可分であるとの考え方に基づくものです(神戸地判昭和53年11月25日)。しかし、実際には、相続人の中の誰かが代表者として賃料の請求をすることになるでしょう。
Q.それでは、その共有の相続物件について、遺産分割協議の前に新たな借主との契約を締結する権限は誰にあるのでしょうか。
A.それは先程申し上げたとおり、相続人全員が貸主になるということですから(民法605条の2)、相続人全員の合意で賃貸することになります。























