不動産選別 衝撃 空き家900万戸 建物価値を追う 資産活用に狙い定め再生 社会課題が事業好機に 収益を生む知恵で明暗
住宅新報 2024年8月6日 号 17面
新規の住宅供給が過剰なうえに人の寿命よりも建物の寿命が長い住宅が増えていることを踏まえれば、「空き家がなくなることはない」というのは現実的な見方だ。
東京でもゴーストタウンが出てきても不思議はない。多世代で街そのものに住むことが街の活性化につながる。東京は開発ラッシュを迎えているが、その都市づくりは職・住近接がベースだ。どの再開発事業を見てもオフィスを中核に据えて商業施設やホテルを誘致する。不動産事業とは関係のない一般人から「金太郎アメのようだ」との表現を聞くことは珍しくない。
少子高齢社会が本格化している中で、良いも悪いも高齢者のペースに合わせた暮らしへの展開が求められている。街と住まいは高齢者への対処の仕方で評価される時代となり、商品ラインアップの選択肢を増やすことが求められる。若年層の視点と着想に追随した住まいを開発しても、その世代もいずれは高齢者に仲間入りする。住宅・不動産各社が人生のステージごとに間取りが変えられるなどの可変性をテーマに新規供給する背景には老いる日本社会に備えた知恵だ。家族構成も高度経済成長期とは全く異なり、専有面積の広さや間取りの考え方は一変している。ひと昔前の広ければよいというニーズではない。高齢社会の進展で、むしろ広さが負担になっているケースもある。専有面積が住宅の価値基準のバロメーターとは限らない。欧米のように「古い建物を使い続ける」というニーズも高まっていく。そのためには建物の価値を見いだす取り組みが欠かせない。使われなければ価値を生まない空き家と化す。
























