大谷巌一の〝ピンチはチャンス!〟逆風に帆を張るビジネスの創り方 イーソーコ取締役会長 大谷巌一 (聞き手・出村亜希子) 第10回 業界改革に挫折し新たな道を創る
住宅新報 2025年1月21日 号 3面

1990年に物流不動産ビジネスを創始し、15年以上新ビジネスの普及に取り組む中、認知度や影響力は高まったものの、なかなか同志の数が増えないことが長年の課題でした。特に物流業界にとっては業界改革につながる画期的なビジネスであるとの確信があるのに「なぜ業界改革に関心が得られないのか」。アプローチ方法の問題か、努力不足か。熟慮を続ける一方で、同志は増えなくても自社の業績は伸び続けていきました。「同志=同業となるライバルが増えないから良しとするか」。当時の大谷の胸中には、ふとそんな気持ちも交錯したといいます。それは、業界改革を標榜して活動を続け、既に50代に入った大谷にとっては煩悶の日々でもありました。
どうすれば業界改革を実現できるのか。これまでの経緯とネガティブ要因を多面的、多角的に分析することで見えたのは、「両業界の閉鎖性と保守的な風土」が主たる阻害要因であるとの結論でした。物流業界と不動産業界はそれぞれ独自の慣習や価値観が根強く、新しいビジネスモデルへの抵抗感が強かったのです。
物流業界と不動産業界では、働く人の根底にある価値観があまりにも異なっていました。要するに、物流は減点主義でディフェンス重視、不動産は加点主義でオフェンス重視なのです。各業界の特性はそれぞれの業務に適合して醸成されてきたものであり、後から意識を改革するのは非常に困難なことなのだと実感し、大谷は悩みました。























