古民家宿の物語 日本全国リノベーション 133 柚子の家(中) 歴史と風景に導かれた出会いと、大規模リノベーション
住宅新報 2026年4月21日 号 17面

大きなソファから自然豊かな谷の眺望を楽しめる
谷の眺望が決め手に
集落には祠(ほこら)やお地蔵が点在し、代々大切に守られてきた信仰と暮らしの歴史が息づいている。単なる山間の集落ではなく、人の営みと祈りが積み重なってきた場所であることが感じられる。こうした背景を持つ地域に宿を開くに当たり、桑原さんは住民との関係にも細やかな配慮を重ねてきた。外から人を呼び込む事業である以上、地域との調和が不可欠であり、その積み重ねが運営を支えている。
紹介を受けて現地を訪れた際、桑原さんは「このロケーションは宝だ」と直感したという。建物自体も大きく、古民家としては希少な規模を持っていた。購入の決め手となったのは、谷に向かって開けた眺望だった。ソファをその方向に配置し、室内にいながらも自然と対話できる空間を構想した。






















